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*どのレビューもネタバレしていますよ*
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プリンセス・トヨトミ        2012.4.23
☆監督:鈴木雅之   ☆脚本:相沢友子 
☆原作:万城目学「プリンセストヨトミ」
☆出演:堤真一  中井貴一  綾瀬はるか  岡田将生 他

会計監査院の松平達は大阪のOJOという会社の監査で不審に気付き、
核心に迫るとそこには「大阪国」という国が存在した、
という奇抜な発想の物語。
大阪夏の陣で豊臣の嫡男国松が逃げ延びた後有志たちが大阪国を立ち上げ、
現在「OJO」という会社組織の形でその末裔である王女(お嬢?)
を守り機能し続けていると。
この国の存在を受け継ぎ守るのは、
死を前に父から国を守れと託された14歳以上の男たち。
なんというか、まずその発想が面白くて、
国を託された男たちと父との絆も垣間見えます。
原作は独自の世界観がさらに広がっているのかもね^^
出演陣がとにかく豪華。ロケはまさに大阪を象徴する場所で行われ
知っていればついニヤリ。
 
ヒアアフター                 2012.5.12
☆監督:クリント・イーストウッド
☆出演:マット・デイモン  セシル・ドゥ・フランス  フランキー・マクラレン

臨死体験をしスピリチュアルな世界を垣間見たフランス人女性と
亡くなった魂と”通じる”事ができるアメリカ人男性、
そして逝ってしまった兄と会いたいイギリス人少年の
それぞれの「これまで」を描きながら
この3人がやがて出会い、互いに希望をもらいあうまでを描いたヒューマンドラマ。
各人の感情がつぶさに伝わってきて何度涙ぐんだか。
演出も演技も光っていました。
 
ブラック・スワン              2012.5.17
第83回アカデミー賞主演女優賞受賞
☆監督:ダーレン・アロノフスキー  
☆出演:ナタリー・ポートマン  ミラ・クニス他

真面目にバレエに打ち込んできたニナに、
プリマのベスが引退して主役が巡ってきた。
演じるのは「白鳥の湖」で純粋無垢な白鳥と邪悪な黒鳥の二役を踊る
という大役。
真面目なニナは母の過干渉と大役のプレッシャーから
精神のバランスを崩してゆく・・。
ストイックさと情熱が完璧を目指すあまりその繊細さを狂気へと導いてしまう・・。ナタリーポートマンがプリマとしての技術と
ニナという女性の内面を見事に演じており素晴らしい。
なのに私、時間の都合で一気に見れず、3回くらいに分けてみたのよ〜
しまったな・・・。
 
ハウスメイド                 2012.7.18
☆監督・脚本:キム・サンス  
☆出演:チョン・ドヨン  イ・ジョンジェ  ソウ

子ども好きで奔放なウニは、さる財閥家の3人の子のシッターとして雇われたが、旦那様の要求する情事を楽しみとうとう妊娠。 
奥様の母親に流産させられたウニは
みんなの前で自殺するという復讐をする・・・・。

下々の者には何をしても許されると考える特権階級の地獄に落ちたウニの話。
あの好感度高いイ・ジョンジェが知的で紳士な皮を被った
オレ様振りを発揮してのベッドシーンを演じ印象に残った。
けどさほどセクシーでないのはなぜ?
ストーリーは確かにエロチックで残酷で悲壮。
ただ、これは芸術作品?エンタメ作品?
自らも不倫を楽しんだり、幼い子供の前での凄惨な自殺をするなど
倫理観の薄いウニのキャラのせいで
後味が悪いものになってしまったのは確か・・・。
 
ヒミズ                             2013.2.22
第68回ヴェネチア映画祭 
マルチェロ・マストロヤンニ賞(新人賞)主演2人受賞

☆監督・脚本:園子温  ☆出演:染谷将太 二階堂ふみ 渡辺哲 他 
☆原作:古谷実

若い2人の見事な演技、これは賞をとって然るべしだったと本気で思いました。
家庭が崩壊し、暴力の中で生きてきた中学生の主人公・住田。
「お前なんていらない」と存在を否定され続け、唯一の母も出て行った彼は
追い詰められた精神状態の中で父を殺害。 
自分の存在の意義を求めて悪党を殺す事に命を賭けようとした彼を救ったのは
震災で家族や未来を失くしたホームレスの面々と、同級生の茶谷さん。
彼女も家庭が崩壊した中であがきつつ、住田を理解し、
自分にとって世界でただ一人の人だと気づき愛してくれた子。
罪を償って人生をやり直し、出所後には平穏で温かい家庭を
共に築こうという彼女。
生まれてきた二人の子どもには「生まれてくれてありがとう」と言うの、
という彼女に涙する。
中学生でここまで切実に生きるということの本質を知った彼女たち。
住田君はそんな平凡な夢すら見られないほど絶望していたのかと
一瞬悲しくなったシーンもあったけど、大丈夫それを受け入れる若さがあった。
人は独りでは生きられないけれど、助けがあれば再生する強さを秘めている。
残酷で深くて、悲しくて、温かいそんな映画でした。
 
ヒューゴと不思議な発明        2013.2.25視聴
第84回アカデミー賞 撮影賞、美術賞、録音賞、音響編集賞、視覚効果賞 受賞
☆監督・製作:マーティン・スコセッシ  ☆脚本:ジョン・ローガン
☆出演:ベン・キングスレー  エイサ・バターフィールド  ジュード・ロウ 他

話題の作品見てみました。
時計職人の父を亡くし、父の形見となった博物館に捨てられていた機械人形の修理完成を夢見ながらリヨン駅の時計台に人知れず暮らしていた少年ヒューゴが出会ったのは、
かつて名作を数多く生み出していた巨匠ジョルジュ・メリエス。
完成した機械人形が書いた映画「月世界旅行」の1コマからジョルジュ・メリエスとの出会いへとつながり、最後は失意の中生きてきたメリエス本人と家族も過去の幸せな栄光を再享受し
ヒューゴはメリエス夫妻に保護者となってもらえてハッピーエンド。
見事なCGで、映画黎明期の映画撮影の様子が映像化されていてウィットと敬意が感じられる。
ただ、ハマれたかどうかというと、あんまりハマれなかった。個人的な感想ということで。

3DBD+2DBD+DVDセット
 
豊山犬-プンサンケ           2013.3.26
☆監督:チョン・ジェヒョン  ☆製作総指揮・脚本:キム・ギドク
☆出演:ユン・ゲサン  キム・ギュリ  キム・ジョンス

終始一言もセリフをしゃべらなかったユン・ゲサン。
その表情と息遣いだけに引き込まれる。
過去の経歴は一切明かされないまま進むが、
南と北の休戦境界を命を賭して行き来し
時には人すらも運ぶ彼の身体能力と判断能力を見れば
厳しく悲しい過去もあるはず。
そんな彼は南北に別たれてしまった力なき人々のために、
メッセージや遺品を届けてきた。
とうとう脱北した要人の愛人を連れてくる任務を引き受け
彼の人生がある意味は花開き実際には終わってしまった様子を
ハードに悲しく、そして絶望的に描く。
ただ3時間、北から南へと脱北の旅をした間に生まれた二人の愛。
でも結局は、北の暗殺部隊と韓国の情報部という、
確執が埋まるはずのない立場にいる人々に利用され残酷な終焉を迎える。
独特の世界観を作り上げた本作、
ユン・ゲサンの表現力は評価されて然るべし、です。
 
Black & White               2013.5.5
☆監督:マックG
☆出演:リーズ・ウィザースプーン  クリス・パイン  トム・ハーディー

アハハ、シンプルなラブコメで好感持てたわ^^
CIAに務める親友同士が同じ女性を好きになっちゃって、
彼女を振り向かせるためにCIAの高度な技術や、
特殊要員として鍛えた己の技を完全に私用に流用〜
大の男がオトナ気なく頑張るところが何だか憎めなくって笑えた。
気軽なエンタメが良かった。
 
ファミリー・ツリー       2013.7.1
☆第84回アカデミー賞脚本賞
☆監督・脚本:アレクサンダー・ペイン  ☆原作:K・H ヘミングス
☆出演:ジョージ・クルーニー  シェイリーン・ウッドリー  アマラ・ミラー

事故で目覚める事のない妻を見送る時になって、
妻に任せきりだった娘たちとの間に存在する問題に直面した主人公。
そして妻が自分との結婚生活に限界を感じ不倫していたことも知ります。
一つ一つ受け入れ、娘たちと共に乗り越えてゆく父親役を
ジョージ・クルーニーがいつものセクシー・オーラを封印し
普通の男を深く演じており評価は高かったですね。
舞台がハワイ、使われている音楽も全編ハワイの穏やかなサウンドに溢れてる。
物語そのものはまあまあといったところだったけど、
そういうディーテールが余韻を残した。

ふがいない僕は空を見た 2014.6.23
☆監督:タナダユキ  ☆脚本:古玉國彦他  ☆原作:窪美澄
☆出演:永山絢斗  田畑智子  窪田正孝  原田美枝子

どんな子も無事に生まれ、そして生き抜いてほしい
という祈りが伝わるいい映画だった。

高校生の主人公は不妊で追い詰められた主婦と体の関係に溺れ、
暴露されます。
また主人公の友人は認知症を患う祖母と二人暮らし、
親は二人を簡単に見放し少年は生計をバイトで立てる苦しい日々。
他に小児男子にしか向けられない性癖に苦しむ青年、などなど
なぜ生まれてしまったのかと悩み、生きることが苦しすぎる
と感じる人々を鮮明に描く。

主人公の母は助産院を経営しており、
命に対する真摯で大きな愛を主人公は感じ取っている。
奇跡ともいえる「生」を語るには「性」は決して切り離せないし、
「性」を語るにおいて誰かのどんな形も笑ってはいけないし辱めてはならないと感じる。

けれど現代社会においてその形のいくつかは明白に犯罪ではあり、
また親を頼れず孤独を余儀なくされる子は悲しいかな確実に存在する・・・。
「性」について堂々と語り、警鐘を鳴らすべきところは鳴らし、
多様性を認めるところは認められるようになってほしいと思わせられた、
深くてメッセージの多い良い作品でした。

ブルージャスミン   2015.2.24
第86回 (2013年) アカデミー賞 主演女優賞[ケイト・ブランシェット]
☆監督・脚本:ウッディ・アレン   
☆出演:ケイト・ブランシェット  アレック・ボールドウィン他

圧巻のケイト・ブランシェット!主演女優賞取るわこれなら(驚)
超リッチなハルと大学卒業前に結婚した純粋なジャスミンは
彼の莫大な富を浴びるように受けて幸せな日々を過ごしていたんだけど、
彼の仕事は金融詐欺と呼ばれてもおかしくない法スレスレ、
いや、違法なものでした。
結局彼は逮捕され獄中で自殺。
一文無しになっても、セレブ生活を抜け出せない彼女のプライドと虚栄心が
どんなふうに彼女を蝕んでいるのか、どんなふうに新しい出会いに影を落とすのかナチュラル且つリアルに描かれています。

身の丈の幸せを謳歌する妹の明るいトーンとの対比が効いていて
彼女の壊れゆく絶望的な状況が更に浮き彫りになる。
潤沢な富があることが幸せの基準となっている不幸せな彼女。

でも夫が僅かなグレーゾーンの世界で才覚とバランスで維持していた事業をFBIに通報して台無しにしたのは、彼の長年の浮気を知って精神崩壊したほかでもないジャスミン。
ウッディ・アレン監督の脚本・演出力もすごいけど、
やっぱりケイト・ブランシェットだ。

ベイマックス 2015.11.28
第87回(2014年)アカデミー賞長編アニメーション賞受賞
☆製作総指揮:ジョン・ラセター/ロイ・コンリ  ☆原題:Big Hero 6
☆監督:ドン・ホール/クリス・ウィリアムズ

そもそも本作は戦うあの子たちを含めた6人が主役だったんですね。
邦題から”ベイマックス”の愛がテーマの中心だと思っていて、
そのおかげで実際うるうる来ちゃう良い作品という認識でしたし。
日本ではベイマックスと主人公の関係性に目線を置いた方が確かにヒットしたでしょう。

医療ロボットという設定が最高に効いていて、
肉親を亡くした主人公に、家族のような無償の愛を注いでくれ(ているように見え)るんです。
利害の絡んだ実験で肉親を失い、
復讐心で世界を窮地に追いやる悪役教授とを
対照的に描きつつ、ベイマックスたちがそのアドベンチャーのような戦いで
世界をすくうという、子供たちが楽しめ、おとなも楽しめる作品でした。

























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